Sunday, March 26, 2006

"All Rights Reserved" の表記はしない方がいい

この前の記事へのコメントで、"All Rights Reserved" と クリエイティブ・コモンズのバナー("Some Rights Reserved"と書いてある)を一緒に載せるのは矛盾じゃないことを教えてもらった(ちゃんと批判の対象を明らかにするのはよいことです)。ありがたい。で、今から、「矛盾していなくても、クリエイティブ・コモンズを使うときは "All Rights Reserved" という表記はしない方がいい。だって混乱するから」という(関連しているけど)別の話をする。

どうも、"All Rights Reserved" というのは(それが表記されていようとなかろうと)、「これは私が作りました。私が好きなようにライセンスできます。他にライセンス表記があれば、そのライセンスを使うことを意味します。なければ、すべての権利(例えば無断で転載されない権利)が守られます」という意味で、クリエイティブ・コモンズ("Some Rights Reserved"というバナーがあろうとなかろうと)というのはその使うライセンス表記のひとつらしい。だから、BSD ライセンスを使っても、クリエイティブ・コモンズのライセンスを使っても、それと一緒に "All Rights Reserved" を表記しても矛盾ではないそうだ。

で、これは矛盾じゃないらしいのだけど、これってとても混乱するしわかりにくい表記だと思う。間違いじゃなくても、プレゼンとしてまずい。だって、初めて見たとき、"All Rights Reserved" ってクリエイティブ・コモンズのバナーに書いてある "Some Rights Reserved" と同列だと思わないかな。2つ書いてあったら、相容れないライセンスが2つあるみたいな感じがする。僕はそんな感じがしたし、同じように感じるひともいると思う(コメントを見ると分かるけど、実際にいたらしい)。あと、英語だけで書いてあるのも問題。お菓子の防腐剤の袋には「食することを禁ずる」とは書いてない。「たべられません」と書いてある。簡単な、誰でも読める言葉で書いてあるのは子供を含めたより多くの人に届けるようにするためだ。食べちゃってからじゃ遅いし、食べられないようにするのが大事だから、がんばって努力した結果きっとそういう表記になっているんだ(世の中には、これを食べさせないために努力するのではなく、食べた奴の言語能力のなさをうれしそうに責める*だけ*の人間がいる。地獄に落ちればいいと思う)。英語の表記が読めなくて、あなたの「こんな風に私の作品を使ってもいいですよ」という意図が伝わらなくてもいいの?

Are Explicit Copyright Notices Necessary for Weblogs and Web Pages?(ブログやウェブページで明示的な著作権表記は必要か?)というページによると、ページに著作者の名前があれば明示的な著作権表示がなくても法的に有効な著作権が持てる、とある(日本でも同様に明示的な著作権表示には意味がないようだ)。つまり、法的にちゃんとしている著作権を持つために、"All Rights Reserved" という表記をする必要はないということ。してもいいけど、しなくてもいい。その表記をしないときは、ただ自分の名前をページのどこかに書けばいい。

ということは、

(1)クリエイティブ・コモンズ(その他ライセンス)と "All Rights Reserved" を両方表記する
(2)クリエイティブ・コモンズ(その他ライセンス)だけ表示する

の2つは(ページに作者名が入っている限りにおいて)法的に同じ効力をもつということで、わざわざ(1)を選ぶのは読者を混乱させる以外の何の意味もない(「"All Rights Reserved" と書くと名前だけ書くより見栄えがよくなる」という意見もあるみたいだけど、僕なら読者が混乱なくライセンスを理解できることを絶対に優先する)。クリエイティブ・コモンズを使って、読者に自分の作品に対してできることをもっと多くして、それで(運がよければ)そこからいろんな創作が生まれて、みんなでワイワイ楽しくやろうっていう趣旨だったと思うんだけど、読者を混乱させるのはその目的に沿わないんじゃないかな。「なんか著作権法とか面倒でややこしそうだし変なことで訴えられたらイヤ」ってなって、それによって生み出される作品が減ったら、それは悲しいことじゃないのだろうか。クリエイティブ・コモンズは -- 緩い著作権と、そこから得ることのできる僕らのより大きな自由は -- 何を目指していたの? みんなが使える知識の形を増やして、みんながクリエイティブになれるようにしたかったんじゃなかったの? それは人に法律文書をいっぱい読んでもらうことでも、英語のカッコいいバナーをサイトに貼ることでもなかったはずでしょ?


・・・と、バシッと決まったところでまとめると、クリエイティブ・コモンズ("Some Rights Reserved" というバナーがあろうとなかろうと)を使うときは、

(1)"All Rights Reserved" の表記が混乱を招く可能性があって
(2)"All Rights Reserved" の表記をしなくても何も失わない

のだから、矛盾はなくとも "All Rights Reserved" の表記はしないほうがいいということ。以上。

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